E・N・M・A~えんま~
「ひとつ、間違っていることがある。
――千夏は、『天界』のものではない」
はっきりと言いきった閻魔の声は、少しも淀みなく自信に満ち溢れていて。
ワタシも、納得してしまう。
そして、うなずきながらも視界に飛び込んでくる、あの『白竜』にため息をついた。
嫌がおうでもワタシは、シュウと揃いの竜を見にまとっているのだと、思い知らされて――。
「君こそ勘いもはなはだしいね?
千夏は鍵なんだよ。
これは、僕のと対になっているし、『契約』も破棄されずに、こうして残ってる」
不意にシュウにまくられた足が外気にさらされて、それがビクビクと躍動する。
「やっ…!」
閻魔に見られたくなくて、ワタシは慌てて『白竜』を隠した。
もうとっくに知られているものかもしれないが、やはり見られたくなかったんだ。
閻魔は、そんなワタシの気持ちを分かってでもいるみたいに、目を細めて頭を撫でてなだめてくれた。
「うーん。
千夏?――君も自覚が足りないみたいだね」
シュウがそう言って、何かを口の中で唱えるやいなや、
「キャーッ!!」
ワタシは 悲鳴を上げて、太ももを押さえた。