E・N・M・A~えんま~
そっと触れてくる閻魔の冷たい手が、心地よくて。
この暴れ竜を鎮めてくれている…
そう感じられた。
そうーー。
本当に『白龍』の熱が次第に冷めていったんだ。
「…もう、大丈夫か?」
低い、ささやくような声だったけれど、閻魔の優しさが身にしみる。
涙目で見上げると、温かい笑みが待っていてワタシの心を包み込んでいった。
「うん…、もう、大丈夫」
ワタシも彼に笑顔で答えた。
まだ目には涙が残っていたんだろう。
閻魔がそれをそっと舐めてくれた。
「ちょっと?
ーー余計なこと、しないでくれる?」
ひとときの幸せをぶち壊しにするかのような鋭い声が、ワタシ達の間を貫いた。