真っ白のラブレター
「もとはと言えば歩が悪いんだから。ぼけっとして、さっさと出て来ないから、だから探しに来たんでしょ」
「悪かったなあ」
二人はこのせっぱ詰まった状況のせいで、以前の関係を取り戻していた。
今はよけいなことを気にしている余裕などなかった。
どうにかして、ここを脱出しなければ、一二月の寒空に一晩中震えることになる。
歩は何とか方法がないかとあちこち歩き回っているが、穂風は出口の所にへたりこんでいた。
どうやら、このドアーを開ける以外に、外に出られる方法はないようだった。
「おい、ヘアピン持ってないか」
「えっ」
「よくドラマであるじゃないか。ピンで鍵をあけるってやつ」
「持ってるけど、こんなので開けられるの?」
髪の毛からピンを抜き、歩に手渡す。
「やってみないと、わからないさ」
歩はピンを鍵穴に入れた。何分かカチャカチャとやっていたが、開きそうな気配はなかった。
「やっぱり、だめだ」
「一晩中、ここにいるの? 凍えちゃうよ」
「もうすぐ、巡回の人が来るだろ」