姉弟ごっこ
「来てたの?え、会わなかったよね?」
「いろいろと内装を手伝ったりした俺としては、もはや裏方の意識が強くなっちゃってさ。表には出なかったがこっそり出席してたんだよ」
「ふぅん」
それってもしかして、芽衣子のウエディングドレス姿を直接見たくなかったから、だったりして。
なんて無粋な推理をしながら私は、空になった食器を持って立ち上がる。すると哲史も私の後を追ってきた。
「だからねぇちゃんが久島さんとやらに口説かれてるとこも見てたぞ~」
ニヤニヤと笑いながら。
「あっそ。」
私は顔色が変わるであろうことがばれないように、顔を背けながら流しに食器を置いた。スポンジに洗剤を浸し、いそいそと洗い始める。
久島さんから、『二次会には行くの?』と声を掛けられたのは、友人代表のスピーチが終わってホッと席に戻ったときだった。
私が、はいと返事をすると、『良かったら、一緒に飲もうね』と彼は言った。
私たちは約束通り、二次会のレストランでワインを飲み、お喋りして連絡先を交換した。
お互いに忙しい仕事の合間を縫って、今夜は三度目のデート。だからちょっぴり緊張している。
「そんなにめかしこんじゃって」
気合いを入れた本日のコーディネートを見破られ、私は顔をしかめた。
自分の食器をこちらに渡しながら、隣で哲史は低い声で続ける。
「相手もさぞかしあそこおっきくして待ってんだろうねぇ」
「朝っぱらから下ネタ言うなー!」
「いろいろと内装を手伝ったりした俺としては、もはや裏方の意識が強くなっちゃってさ。表には出なかったがこっそり出席してたんだよ」
「ふぅん」
それってもしかして、芽衣子のウエディングドレス姿を直接見たくなかったから、だったりして。
なんて無粋な推理をしながら私は、空になった食器を持って立ち上がる。すると哲史も私の後を追ってきた。
「だからねぇちゃんが久島さんとやらに口説かれてるとこも見てたぞ~」
ニヤニヤと笑いながら。
「あっそ。」
私は顔色が変わるであろうことがばれないように、顔を背けながら流しに食器を置いた。スポンジに洗剤を浸し、いそいそと洗い始める。
久島さんから、『二次会には行くの?』と声を掛けられたのは、友人代表のスピーチが終わってホッと席に戻ったときだった。
私が、はいと返事をすると、『良かったら、一緒に飲もうね』と彼は言った。
私たちは約束通り、二次会のレストランでワインを飲み、お喋りして連絡先を交換した。
お互いに忙しい仕事の合間を縫って、今夜は三度目のデート。だからちょっぴり緊張している。
「そんなにめかしこんじゃって」
気合いを入れた本日のコーディネートを見破られ、私は顔をしかめた。
自分の食器をこちらに渡しながら、隣で哲史は低い声で続ける。
「相手もさぞかしあそこおっきくして待ってんだろうねぇ」
「朝っぱらから下ネタ言うなー!」