姉弟ごっこ
どさり、と背中がバウンドした。
さっきまで哲史が寝ていたベンチに、今度は私が寝かされている。
どんなマジックを使ったらこんなことになるのかと、信じられない早業だった。
視線の先ではそのマジックを披露した張本人が、私を見下ろしている。ベンチに組み敷く体勢で。
「ちょっと……離してよ!」
捕まれた手首を強く揺さぶってみるけど、微動だにしない。
哲史の顔が段々近付いてくる。
「抵抗できると思ってるわけ?男をみくびるのも大概にしろよ」
笑いを織り混ぜたような低い声で言った哲史は、目を細めた。
「まだ、昔のこと引きずってんだ?」
耳元で囁かれ、背筋がぞっとした。
「離して!」
「ねぇちゃん、震えてんの?そんなんで大丈夫?」
哲史の体の重みを感じながら、私は窮屈に顔を背ける。
「結婚したら、こーゆーことだってするんだよ」
首筋に、唇が這う。肌をなぞる吐息が熱い。
真正面からキスされそうになって、「やめて!」叫ぶと一瞬、腕を抑える哲史の力が幾分弱まった。その隙に、振り払った右手で精一杯、殴る。
「痛ってぇ!メリケンサックかよ!」
見事に指輪がめり込んだ頬を押さえた哲史は、泣きそうな声で叫んだ。
さっきまで哲史が寝ていたベンチに、今度は私が寝かされている。
どんなマジックを使ったらこんなことになるのかと、信じられない早業だった。
視線の先ではそのマジックを披露した張本人が、私を見下ろしている。ベンチに組み敷く体勢で。
「ちょっと……離してよ!」
捕まれた手首を強く揺さぶってみるけど、微動だにしない。
哲史の顔が段々近付いてくる。
「抵抗できると思ってるわけ?男をみくびるのも大概にしろよ」
笑いを織り混ぜたような低い声で言った哲史は、目を細めた。
「まだ、昔のこと引きずってんだ?」
耳元で囁かれ、背筋がぞっとした。
「離して!」
「ねぇちゃん、震えてんの?そんなんで大丈夫?」
哲史の体の重みを感じながら、私は窮屈に顔を背ける。
「結婚したら、こーゆーことだってするんだよ」
首筋に、唇が這う。肌をなぞる吐息が熱い。
真正面からキスされそうになって、「やめて!」叫ぶと一瞬、腕を抑える哲史の力が幾分弱まった。その隙に、振り払った右手で精一杯、殴る。
「痛ってぇ!メリケンサックかよ!」
見事に指輪がめり込んだ頬を押さえた哲史は、泣きそうな声で叫んだ。