姉弟ごっこ
「こうやって、ねぇちゃんが心配してくれたり、奉仕してくれる姿も拝める訳だし」
「はぁ?変な単語つかんないでよ」
「だから俺、怪我したことに感謝したい気分なんだ」
「なに言って……」
目を伏せた哲史は、「さ、次はなにしてもらおっかな~」歌うように言って右手の甲を差し出した。
「なにバカなこと言ってんの!あんた、手だけじゃなくて頭も怪我したんじゃない?」
捲し立てた私は、貼られた湿布を勢いよく剥がすと、代わりに新しいのを乱暴に貼った。
「冷た!もっと優しくやれよな」
哲史は湿布の上で、反対の手のひらを何度も往復させた。
「あのときと、逆だな」
低い声で呟く。
私は閉口した。
「覚えてる?」
忘れるわけない。
私が恋に臆病になるきっかけとなったあの日の後も、こうして私たち二人はベンチに並んで座ったよね。野球部の顧問に、呼び出された後。
『俺、まひるなんかと付き合うんじゃなかった』
高校時代の元カレにそう言われたのは、初めてベッドに押し倒されたとき。
半ば強引に制服を脱がされた。私の足を無理矢理開こうとしながら相手は、友達が童貞じゃなくなったなどということを早口で言った。
心の準備ができてなかった私は、怖くて必死で抵抗した。
だって彼はスポーツマンで。ずっと野球ばかりやってた、素朴な男の子だったんだ。
部活の後いつものように彼の家に遊びに行って、漫画を読んでたときだった。
手を振り回して暴れたら、テーブルに置いてあったジュースのグラスが割れ、私と相手の手に刺さった。
「はぁ?変な単語つかんないでよ」
「だから俺、怪我したことに感謝したい気分なんだ」
「なに言って……」
目を伏せた哲史は、「さ、次はなにしてもらおっかな~」歌うように言って右手の甲を差し出した。
「なにバカなこと言ってんの!あんた、手だけじゃなくて頭も怪我したんじゃない?」
捲し立てた私は、貼られた湿布を勢いよく剥がすと、代わりに新しいのを乱暴に貼った。
「冷た!もっと優しくやれよな」
哲史は湿布の上で、反対の手のひらを何度も往復させた。
「あのときと、逆だな」
低い声で呟く。
私は閉口した。
「覚えてる?」
忘れるわけない。
私が恋に臆病になるきっかけとなったあの日の後も、こうして私たち二人はベンチに並んで座ったよね。野球部の顧問に、呼び出された後。
『俺、まひるなんかと付き合うんじゃなかった』
高校時代の元カレにそう言われたのは、初めてベッドに押し倒されたとき。
半ば強引に制服を脱がされた。私の足を無理矢理開こうとしながら相手は、友達が童貞じゃなくなったなどということを早口で言った。
心の準備ができてなかった私は、怖くて必死で抵抗した。
だって彼はスポーツマンで。ずっと野球ばかりやってた、素朴な男の子だったんだ。
部活の後いつものように彼の家に遊びに行って、漫画を読んでたときだった。
手を振り回して暴れたら、テーブルに置いてあったジュースのグラスが割れ、私と相手の手に刺さった。