姉弟ごっこ
そうやって、ふざけてばっか。
私をからかって、反応を面白がりたいだけなんでしょう?

『過去に捕らわれてないで、俺を信じてみない?』

信じるって。
なにをどうやって?

ただ私の気持ちを掻き乱してるだけじゃない。

「まひるちゃん?」

一度瞬きをすると、ぱちんと現実世界に焦点が合った。

「は、はい」
「じゃあ行こう。あっちだから」

呼応するというシンプルな行為を、どうやらさっきの質問に対する承諾だと勘違いされたらしい。
コインパーキングの方を指差しながら歩き出した久島さんの後を追う。

「あ、あの」

呼び止めた私を、斜め気味に振り向いた久島さんは「ん?」穏やかに見返して手を差し伸べる。
前方から走ってきた一台のライトが上向きになっていて、目が眩んだときだった。

「正樹!?」

はっきりとした女性の声が、突き刺さるように耳に入ってきた。

正樹、は久島さんの名前だったはず。
頭の中で確認しているうちに、大股で近寄ってきたその女性は私たち二人の前に立ちはだかった。

「お前っ、な、なんでここに!?」

いつの間にか繋いでいた久島さんの手が、大袈裟なくらいビクッと動いた。
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