最果てでもお約束。
「最初の内は良いけどさ、その内だんだんとさ、エスカレートしてってさ・・・ほら・・・ちゅーから・・・ね・・?さっきの・・」
モジモジ。うわぁ・・・気持ち悪い・・・。男だろてめぇは。
「あー・・・関係を持とうと?」
同じ事も3度やると鮮度を失ってしまうし、何よりアキラのマジ切れとか見たくないので素直にオブラートに包んで助け舟。
こくこくと体全体とタオルケットまで揺らしての肯定するアキラ。そんなに抵抗あるかなぁ・・
「でも当時14歳だべ?早いっしょー?」
もう無茶苦茶だなお前。
「急に怖くなってさ?逃げたんさ・・・そしたら次の日からさ・・・」
最後の方はもう声に潤いが混ざっている。ははーん、そうですかぁ。っつか積極的な友達っつーか親友だなぁ・・・。
「なんがよぞよぞじぐなっでよぅ」
震える肩。アキラはきっと泣いているのであって、古今東西の方言が混ざって新しい方言が出来ている訳では無い。
「ほれティッシュ」
箱ごとアキラに投げると、丁度頭にヒットした。ごめん・・・。
「ありがど」
それでもアキラは礼を言い、ずびーずばーと鼻を噛む。まぁ・・・タオルケットでそれやってたら追い出してる所だ・・。
「それでたまに思うんだぁ・・・あの時勇気出してさ、ちゃんとしてればさ、親友の事、好きになれてたかもーって」
アハハと鼻声で、自嘲気味に笑う。アキラ、お前にそんな笑い方は似合わないよ。
「・・・・あー・・・・人生の先輩から一言良いですか」
アキラは相変わらずこっちに背を向け、ティッシュで鼻をずびずばやりながら体全体で頷く。
「まぁ・・・散々大人的意見を言ってきたけれども、それはやっぱり違うと思うよ」
「なして?」
「難しいけれどな、そゆのはちょっと違うと思うよ。してから好きになるとかな。それにはもう色々混ざってるだろ。好きや恋しい以外の何かが」
不純物が混ざってるように思えるんだ。下心とか、性欲とか。もちろんそれのどれも重要だけれど、相手を解る為に体を重ねるのはそれは既に不純のような気がして。
「だからさ、一目惚れこそ最高のSEXだと思う。いや、わけわかんねぇけどな」
自分でも何を言ってるのか良くわからないけれど、まぁなんでも良い。今は修学旅行の夜だ。
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