最果てでもお約束。
みんな大好きな争いです。
「こうーそろそろ起きてー」
ナイスミドルなその声で目が覚めた。いや、本当は少し前から意識は覚醒していて、窓から入る朝日が眩しくて寝たままどうにかならないか考えていた。どうもならないけれど。
寝起きは良い方だ。昔は・・・学生時代は相当に寝起きが悪く、母親や父親に蹴り起こされていたものだけれど、仕事を始めてこの方寝坊で遅刻をした事は無い。
しかし、昨夜眠るのが遅かったからか、全身に気だるい疲労が残っていた。
「ん・・・・今何時だ・・・」
隣の床で眠っていたアキラを見るが、そこには丸まったタオルケットしか無い。
仕方なく枕元に置いておいた携帯で時間をチェック。
・・・8:00
多分アキラに声を掛けられなくても起きていただろういつもの起床時間。
えぇと・・・眠ったのが03:00くらいだから・・・5時間の睡眠か。
まぁまぁ取れた。そもそも今の仕事である”対4国入国管理室”に入ってからは基本が24時間勤務の為、途中は仮眠を取る事になる。その仮眠時間が4時間。
まぁ仮眠よりは睡眠を取れたので良しとする。あの4時間睡眠とやらが本当に辛くて・・・むしろ3時間の方がましだと思う事も度々あった。
「こうー、なんか町の様子が変だよー」
聞けばベランダの方から声がする。
あの馬鹿・・・出来るだけ人目につかないようにしろと行ったのに・・・。
まぁ、この部屋のベランダから見る景色は確かに良いのだけれど。
「アキラーあんま外出るなよー」
ベランダに向かって言ってはみたものの、寝起きで喉がカラカラになった声で聞こえたかどうか怪しい。ってゆーか聞いていても言う事を聞いてくれるか怪しい。
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