最果てでもお約束。
明日よりも去年。
「お・・・おい、行ったぞ」
「う?・・・ん?あ、行った?」
今になって殺されそうだった事にびびってんのかな等と思ってました。
「いやーカッコいい別れにしようと思ったのに、立ち去るのがおせーよ!」
この一言を聞くまでは。

「武士なのに名乗らなかったね」
「いやぁ・・・どっちかってーとミクスチャーバンパイアだろう」
だいぶ慣れてきた。いや、ぼくがアキラに。
「神社どうだった?」
「あー・・・まぁまぁ?」
・・・確かに、この野郎はこれでもヒッチハイカー中級者(自称)なので、全国津々浦々の名所仏閣を見ていて目が肥えているのかもしれない。
「東京のビッグサ○トとか変形しそうでかっこよかった」
「アキラは見直すとすぐオチがつく人なんだな」
だいぶキャラが固まってきたな。
「さて、次はどこいきたい?」
「うーん、武士のいないところ」
お、さすがに能天気なアキラも先程の危機には気づいてくれていたか。
・・・・これは落とさなくていいからな・・。
「彼は・・・歪だね。ひどく」
「ほんと褒めると次の瞬間にはボケが・・・ん?」
見切り発車でした。なんだ、まともな事も言えるんじゃないか(ひどい)
しかし
「ぼくは彼みたいな人間に完璧な何かを見るけれどね」
確かに傍目には彼の行動は奇異に見えるかもしれない。けれど、本人にしてはいたって合理的に物事を行っているに過ぎないのだろう。
「そう思っちゃうこうにも問題がきっと・・・あ、そうだ」
「ん?」
ててっとアキラが小走りにぼくを追い抜く。あれほど前には行くなと。
「こうはなんでこんな親切なん?」
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