ドラマチックSボーイ

静side






「一緒に登校もしないほうがいいんだよ!」


そう舞に言われた時、俺は少なからず傷ついた。


昨日『一緒に学校行こ!』ってはしゃいでいた舞が可愛くて、

行けないとわかっているけど、半分冗談で言ってみただけだった。



なにも言わない俺に見かねた舞はとっさに言葉を足した。


「だって…静くん芸能人でしょ?
こんな普通の女子と一緒に登校なんてしたら、
静くんが大変なことになる…」


「―――!」


意外な答えに俺は思わず頬が緩みそうになった。


舞は俺の立場をちゃんと気付いた上で言ってくれた。
『しないほうがいい』って言った時点で気付くべきだったな。




でも舞は、一緒に登校して大変になるのは本当は自分だということまでは気付いていないみたいだ。




< 57 / 257 >

この作品をシェア

pagetop