君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
降り始めた雨

「げー、ついに降ってきたあ」
「うえ、ほんと?」
「うああ、今日傘持ってきてないのにぃ」

 クラスメイトたちのあげる嫌そうな声を聞いたあたしは、勢いよく顔を上げて薄暗い教室の窓から空を見あげた。

 いつもより格段に低く感じる空の暗い雨雲から、静かな音をたてて細い雨が降り始めている。

 急いで窓辺に駆け寄り、三階の教室から見下ろせば、ちょうど下校時の校門前はカラフルな傘が無数に群れていて、同じ方向に向かって一斉にユラユラと移動していく。

 雨に湿った薄暗い空気の中で、色とりどりの花が咲いて動いてるみたいだ。

 ……やった! ほんとに雨だ! 雨が降ってる!

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