君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
「他人がとった行動なのに、なんであんたが責任感じるの? あんたってマゾ? うっとうしいし、男のくせに情けないよ」
凱斗は亜里沙の言葉を神妙な様子で聞いていたけれど、最後の部分で思い切りムッとした顔になった。
そしてプイッと顔をそむけて、肩を怒らせながら自分のクラスの靴箱の方へズカズカ歩いて行ってしまう。
ああ……凱斗、怒っちゃった。
でも、なんだかさっきよりちょっと元気になってない?
亜里沙の言う通り、梅雨時の室内干しみたいだった空気がフッと変わって、おかげであたしの気持ちも少しだけ軽くなった。
亜里沙のおかげだ。これがいつもの、亜里沙流の励まし方なんだよね。
亜里沙って本質的にはすごく優しいんだ。
……一般的には、すっごく誤解されやすい優しさだけど。
「亜里沙、ありがとう。凱斗を元気づけてくれて」
「なにが? 事実を言っただけだよ」
感謝を込めてお礼を言うあたしに、本当になんでもない顔をして亜里沙は答えた。
「何度も言うけど、凱斗に責任はないの。当然、奏にも責任なんかないんだからね?」
言うだけ言って、『この話はおしまい』とばかりにサッサと靴箱に向かう亜里沙。
その後を追いながら、あたしは思っていた。