星の砂 **海と空の秘密**
すると、後ろから勝連さんが海斗の頭を叩いた。
「ってぇーなぁ!バカ兄貴!」
「バカ兄貴だとぉ?バカはお前だ、クソガキ!オラ、行くぞ!」
さすがお兄さん!!
惚れ惚れしちゃう。
勝連さんは、スタスタと歩き始めた。
どうやら、家はすぐそこらしい。
私は、勝連さんを追いかけ、声をかけた。
あいさつぐらいしとかなきゃね。
「あの!勝連さん!」
「俊兄でいいよ。どうした?ここみちゃん。」
「えっと、俊兄!これからお世話になります。手伝えることあったら、言って下さい!」
「あはは!礼儀正しいよなぁ、ここみちゃんって!こちらこそ。空や海斗と仲良くしてやってな。海斗は生意気だけど、本当はいいヤツだから。」
「は、はい…。」
私は、チラリと海斗を見た。
ぶすっとふてくされた顔をして、空くんと並んで歩いている。
空くんは、目が合うと、相変わらずの王子スマイルで返してくれた。
何この違い!?
コイツ、本当にいいヤツなの!?
クスクスと笑ってばかりいた雫と別れ、ようやく海の家での初日が終わった。
これが、4人の出会いだった。