星の砂 **海と空の秘密**
「どーした?」
下を向いたままの私の顔を、海斗が覗きこむ。
動きをつけられた柔らかい海斗の髪が、潮風に揺れた。
「ここみ?話さなきゃ分かんねーよ」
「トイレ行きたい」
「は?」
「でも、まだにんじん切ってないから行けない…。もれそう。」
「すっげ心配したのに…。はいはい、行ってきな」
海斗が私の手から包丁を取り、にんじんを刻み始めた。
「えへへ、ありがと。行ってくる!」
私はトイレに駆け込んだ。
もちろん、別にトイレに行きたかった訳じゃない。
トイレの窓から、海を見た。
今日は波が高い。
沖の方から浅瀬の方へ伝わる波が、テトラポットにぶつかる。
でも、いつもと変わらない砂浜。
人の混み具合。
変わったのは、4人の関係。
私が1番恐れていたこと。
多分、この頃から私たちの崩壊は始まっていたんだ…。