星の砂 **海と空の秘密**


「俺をたたえろ。」


「は?」



私は硬直して海斗を見た。



「今日ラーメン完売。俺が売り上げた!」



海斗は鼻高々に笑った。



「俊兄のおかげじゃん。」


「ちげーし!作ったの俺だし!」


「はいはい。」



私は、可愛いなぁ…と思いながら、海斗の頭を撫でた。

すると、海斗は私の手を取り、今度は私の頭を撫でた。

何だか恥ずかしくなって、傷だらけのビーチサンダルに目を落とした。



「お前も焼きそば、うまくなったじゃん。」



私は、その言葉に顔を上げた。

ニッコリと微笑む海斗に、私もニッコリと微笑み返した。




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