星の砂 **海と空の秘密**
「いいなぁ。私も海、入ってくる!」
海斗がサーフィンをしている姿を見て、自分も海へ入りたくなってしまった。
この日は、30度を超える猛暑だった。
私は水着になり、海へ入ろうとした。
すると、すごい力で腕を引っ張られた。
「行くな!!!」
驚いて振り返ると、そこには表情を豹変させた海斗がいた。
びっくりした。
「海斗…?どうしたの?痛いよ…腕。」
私がそう言うと、海斗は我に返ったように、肩を震わせた。
そして、私の手を放した。
夕暮れの海は、物悲しい。
波間に小さな船が浮かんでいる。
「ごめんな…。痛かった?」
海斗はそう言って、今度は私を優しく抱きしめた。
「ううん、大丈夫。」
私の腕は、真っ赤になっていた。
空が、私たちを見ていた。