Blue Moon
少しだけモヤモヤした気持ちを残したまま、私たちはフィーリスを出た。
私にとって、初めての街。
それは想像していたものと少しだけ違っていたけれど、私が初めて世界を知った日として、きっとこの先忘れることの出来ないもの…となった気がする。
「もしかして、満足しちゃった?」
その声に、ふと視線を前へ向ける。
「この街は治安もいいし、住むには…」
「冗談言わないで」
ふいに零れた言葉を遮って、少しだけ強い口調で返すと、ネオは微かに笑った。
「ごめん、軽率だった。
あんたはそういう人だった」
なんて言って、ハハハ、と笑うネオに私は眉を寄せながら追い越した。
「お嬢さん。
…もしかして、怒った?」
後ろから足音が消えて、その代わりに声が降ってくる。
「今度言ったら軽蔑するわ」
「お嬢さんにそんなことされたら、立ち直れないな」
なんて言うけれど、その口調は軽い。