わたしがあなたを愛した証拠
そう思わずにはいられなかった。


「・・・戻りたい」


もう一度、誰に言うわけでもなく呟いた。


「叶えてあげましょうか?」


「えっ?」


誰もいないはずの空間に声が響いた。


いないはずだった。


でも、目の前には太陽の光で輝くキメ細かい肌とブロンドの髪が見えた。


その声の主は人間には見えなかった。


顔が整っている、という理由だけではない。


全てが違うのだ。


まるで妖精・・・ううん、神様のようだ。


驚きで声も出なかった。

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