世界が止まる1分間
「いいから言いなさいよ」と花音は怒る。
「このままじゃ言えなくなるかもしれないのよ?そうなったらどうするのよ!」
彼女の剣幕に押されて一日雪奈さんと話すようにしたけれど、好きの二文字を言うことはできないまま一日が終わった。
それを知った花音は当然のごとく怒り狂ったように罵詈雑言を並べ立てて僕を責めた。
「この意気地なし!ばか!何してるの!」
「そんなこと言われても…」
「ハンプティ・ダンプティ」
花音は僕の目をまっすぐ見据えながら言った。
「覆水盆に返らず。零れた時間は元に戻らない。だから明日は絶対に言うのよ!」
いいわね、と念を押され頷くが、できる気がしなかった。
そして次の日、学校に行くとまた同じ日が繰り返されていた。
もう一日経てば、と思ったけれど何日繰り返しても時は進まない。
「どうして…」
どうして進まない。
あの日、雪奈さんと一緒に帰ったあの日のまま、時間は止まったままだ。
どうしたら進むのだろう。
いや、進まない方がいいんじゃないか?
そしたらいつまでも雪奈さんと一緒に過ごせる。
そんな思いが浮かぶけど、やっぱり駄目だと首を横に振る。
どれだけ僕が雪奈さんに近づけても、全てが無かったことになる。
言おうとした言葉も、大切な時間も、全部。
「このままじゃ言えなくなるかもしれないのよ?そうなったらどうするのよ!」
彼女の剣幕に押されて一日雪奈さんと話すようにしたけれど、好きの二文字を言うことはできないまま一日が終わった。
それを知った花音は当然のごとく怒り狂ったように罵詈雑言を並べ立てて僕を責めた。
「この意気地なし!ばか!何してるの!」
「そんなこと言われても…」
「ハンプティ・ダンプティ」
花音は僕の目をまっすぐ見据えながら言った。
「覆水盆に返らず。零れた時間は元に戻らない。だから明日は絶対に言うのよ!」
いいわね、と念を押され頷くが、できる気がしなかった。
そして次の日、学校に行くとまた同じ日が繰り返されていた。
もう一日経てば、と思ったけれど何日繰り返しても時は進まない。
「どうして…」
どうして進まない。
あの日、雪奈さんと一緒に帰ったあの日のまま、時間は止まったままだ。
どうしたら進むのだろう。
いや、進まない方がいいんじゃないか?
そしたらいつまでも雪奈さんと一緒に過ごせる。
そんな思いが浮かぶけど、やっぱり駄目だと首を横に振る。
どれだけ僕が雪奈さんに近づけても、全てが無かったことになる。
言おうとした言葉も、大切な時間も、全部。