逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

(どうして怖いの……。私は何を恐れているの……。)


「沙耶……」


 基が心配そうに見つめる目と、視線が重なる。
 信じて欲しいとその目が叫んでいる。


(ああ、そうだ。私はこの人に背中を向けられるのが怖いんだ……。)


 過去の男性のように、立ち去られるのが怖いのだ。
 好きだ、好きだと言われて、不安になっていくのは、そういうことだったのだ。


 自問自答し、たどり着いた答えに、ふっと肩から力が抜けた。


 彼が立ち去ればおそらく私はまた傷つくだろう。こんな時間を過ごしておいて、なかったことにすることなんてできない。

 普段、肩肘を張って生きてはいるが、沙耶だって普通の女の子なのだ。



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