逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 その行為に、目の前が真っ赤になった。

 今まで散々基を拒み続けてきたのは自分だというのに、基の拒絶が沙耶を怯ませた。


 頭がグラグラする。
 激しい後悔と、自責の念が体を縛りつけ、うまく息ができない。


「ご、ごめん、なさい、基……」


 それでも沙耶は震えながら、謝罪の言葉を口にする。


「……沙耶、いいから」


 いいとはどういうことなのだ。
 自分は何一ついいと思っていない、この状況下で、基は何を「いい」と言うのだ。


「私っ……」


 意図せず涙が溢れる。



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