逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
光沢のあるダークスーツに、いつもと違う雰囲気で整えられた髪。
もしかしたらパーティ帰りなのかもしれない。そんな華やかな雰囲気があった。
いつから、どこで?
沙耶の頭に疑問符が付く。
「今日、来なかったから、少しくらい会えたらと思って待ってた」
「あの……」
「ごめん。出るに出られなくて」
苦笑する基の手には、白い封筒があった。
(私への手紙だ……!)
基は手紙を持ってきてくれていたのだ。
「あの……」
上手い言葉が出てこないが、とにかく違うのだと言いたかった。
彼に向かって足を一歩踏み出すと、基はどこか怯えたように、眉を寄せ沙耶から目をそらす。
そしてグシャリと、封筒を握りつぶしてしまった。