逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
おそらく今日も頭痛がひどいのだろう。眉間には固くシワが寄っていたし、目の下は青白かった。
沙耶は手を伸ばし、基の額を覆う髪を指でかきわける。
(言わなくちゃ……自分の気持ちを。)
激しく心臓が鼓動し始める。
「基、起きてくれる? 貴方に伝えたいことがあるの」
腹の辺りに置かれていた基の手の上に、祈るような気持ちで両手を乗せた。
基の大きな手は、沙耶が両手で包むと、彼が手首に巻いている、高そうな時計と同じくらいひんやり冷たかった。
「基……」
沙耶の呼びかけに、基のまつげの先が震える。
まぶたから覗く灰色の瞳が宙を彷徨い、それからゆっくりと沙耶に焦点が合う。
「……沙耶?」