逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
そして社長の言っている「その女」が、自分を指していることに気づいて、沙耶は息が止まりそうになる。
すうっと全身から血の気が引く。
「隠されているのが気になって、調べさせて驚いたよ。お前が夢中になっていたのが、誕生日パーティでお前と踊った娘だったとは……神尾は余興だと誤魔化していたが……」
社長は基を押しのけて、立ち尽くしている沙耶の前に立ちはだかる。
社長の怒りに晒されて、沙耶はビクンと震えた。
だが基は沙耶の両肩をつかみ、なお自分に引き寄せる。
「父さん、その女じゃない、志倉沙耶さんです。失礼なことは言わないでください。いくら父さんでも次は許しませんよ」
だが、そんな基の言葉も父を冷静にすることはできなかった。むしろ火に油を注ぐ。
広隆の顔が赤黒く染まった。
「なんだとっ!? 基、お前は自分の立場をなんだと思っているんだ! お前はこのエール化粧品の跡取りだぞ! こんな無駄な時間を過ごす暇などないとわからんのかっ!」