逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「あと風呂も狭いし……あれじゃ一緒に入れないだろ」
「は、入るの!?」
すっとんきょうな声を上げる沙耶に、
「入るだろ、当然。髪も体も俺が洗ってやるよ」
なにを言っているのかと、基はキラキラした笑顔でうっとりと沙耶を見つめ、それから沙耶の着ているユニフォームの襟を指でなぞった。
(冗談だよね……?)
その指使いがまた意味深で、沙耶はゴクリと息を飲んだが、ふと我に返って基を見上げる。
「あ、そうだ……私、明日から仕事はどうしたらいいの?」
さすがにもう普通の顔をして働きに行くことはできないはずだ。
「ソルシエールには神尾が連絡してるだろうな。あいつが気づかないことなんて何もないから、心配ない」
基が絶大な信頼を寄せる神尾はスーパー秘書なので、事務処理はお手の物かもしれない。
きっと悪いようにはならないだろうと、沙耶も思う。