逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「絨毯なんて新しいものに変えればいいだろう。とりあえずお前をここに呼ぶための理由を作っただけなんだから」
「なるほど、びっくりするほどおぼっちゃまなんですね。ご両親が心配するのも当然だわ」
ここまでされると、もはやどうにでもなれという気分である。
沙耶はため息をつきつつ、神尾に眼を向けた。
「子守お疲れ様です」
「え? ああ、どうもありがとうございます」
「おい、お前!」
物怖じしないどころか、おそろしく反抗的な態度にカッとした基が沙耶に近寄ろうとするが、
「失礼します」
沙耶はカートをわざと基に向けて押し出し、あとずさったのを見計らってくるりときびすを返し、秘書室を出ていってしまった。
驚いたのは基だ。
「なんなんだ、あの女! せっかく俺がそばにおいてやろうと思ったのに! 湊も湊だ、なにあんな女に労われてるんだ!」
「いや、どう考えても基様が非難されて当然かと思います」