逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
基のこういった傲慢さには慣れていたつもりだったが、さすがに露悪に過ぎる。人間性を疑われるレベルだ。
「……大丈夫です。仕事ですので」
だが沙耶は実に冷静に絨毯の染みを取り、汚れた大量のタオルをカートに入れた。
神尾が慌てるよりずっと、沙耶は冷静だった。
沙耶としては、似たようなことは昔義理の家族に散々やられているのである。
(だけどこれがエール化粧品の御曹司。最低な男だわ。本当に、最低。私の人生には関係ない人だから、いいけれど。)
「これに関しては追加料金を請求いたしますので」
「え、あ、はい……わかりました」
神尾はあっけにとられながらうなずいたが、基はそんなことはどうでも良さそうに、眼を細めた。