逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 ソルシエールに戻って、いつものように業務報告書を書く。

 沙耶が一番最後だったようで、デスクには伊織しか残っていなかった。


(それにしてもなんなの、あの男……。あれ、わざと意地悪してやろうって思ってるんじゃないのが逆にすごいわ。天然の、本物の、生粋のおぼっちゃまなんだわ。)


 悲しいかな、悪意には慣れている。

 いや、慣れるといえば語弊があるが、傷つかないでいいように身を守る術を、沙耶は自然と身に付けていた。

 だが不二基は沙耶の想像よりずっと規格外な御曹司で、その無邪気さで沙耶を怒らせているのだ。


「ほんと、なんなの、あいつ……」


 ついには「あいつ」呼ばわりである。




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