逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
ただ体を寄せて、唇を重ねる。
けれど恐ろしいくらいの衝撃と、全身を貫く甘美なときめきに、基は眩暈を覚えた。
(このまま沙耶をさらってどこかに行きたい。ここじゃないどこかで、二人きりになりたい。彼女を見つめて、ずっと過ごしていたい。)
それは男目線の純粋な興奮とも違う、彼女を独り占めしたいと思う、謎の衝動だった。
「や、めてっ……!」
だが、唇が離れた一瞬、基の腕の中の沙耶が小さく叫び、あっと思った瞬間、突き飛ばされていた。
もちろん女性に突き飛ばされたところで基は少し後ずさるくらいのダメージしかないのだが、沙耶に拒まれたというその事実が、基の自信を揺らがせた。
「沙耶……?」