逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
夕暮れにはまだ早く、空は青いのに、雨が降り出した。
沙耶は勇気を振り絞って少年に声をかける。
「あの、雨宿りしていきませんか。ビスケと一緒に」
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「沙耶ちゃん、なにそれ。昔の少女漫画みたい! 好き、そういうのボク大好きなんだよー!」
潤は三杯目のジョッキを飲み干し、カウンターにドスンと叩きつけた。
「昔の少女漫画って……」
沙耶はクスクスと笑う。しかし確かにそうかもしれない。あんなおとぎ話のような出会いがそう起こりうるとは思えない。