逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「……ごめん。俺が悪かった」
もしここに神尾がいたら、
「基様が謝った!」
と、目を丸くするだろう。
そのくらい珍しいことなのだが、沙耶からしたら謝って当然である。
「紳士らしくない振る舞いだったと思いますけど、その謝罪は受け入れます」
「ありがとう」
その言葉に沙耶も少し表情を和らげた。
「では掃除を始めてよろしいですか?」
「あー、うん。頼む。俺は仕事をしてるから」
形ばかりではあるが、デスクについた。
本当は掃除なんかしてもらわなくてもいいと思っている基だが、仕事がなければ沙耶はさっさとこの部屋を出て行ってしまうだろう。
かと言って、先日のようにコーヒーを床にぶちまけるのも得策ではない。