逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
謝罪を受け入れたと言ってもそれだけなのである。
沙耶の目線。沙耶の口調、声色。
何もかもから、基を拒絶する沙耶の気持ちがヒシヒシと伝わってきて、基の胸をえぐる。だが、ここで引いては沙耶に近づけない。
掃除機の音に負けないよう大きな声で叫んでいだ。
「沙耶と、仕事場じゃないところで会いたいんだ!」
「……」
「紳士であることを誓う!」
「……」
「ほんの一時間でもいいんだ!」
しつこいことこの上ない。
沙耶はため息をついて掃除機を止めた。
「あまり無茶を言わないでください。仕事、続けられなくなります」
「……沙耶」
その眼差しはやはり本気としか思えず、基は口ごもる。
これ以上しつこいと、沙耶は辞めると匂わせている。