逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 少し急かされて、怪訝に思いながらも両手を出すと、鮮やかな包装紙に包まれたお菓子が沙耶の手のひらに落ちる。大きめのキャンディのような、外国のお菓子だった。


「これは?」
「チョコレート。普段僕は英国でチョコレートを売ってる」


 赤、青、銀色と、カラフルな包装紙の中身はチョコレートらしい。

 彼の王子様然とした見た目と合うような、合わないような、不思議な感じがして、思わず笑ってしまった。


 とりあえず彼からは何の悪意も感じない。むしろチョコレートは穏やかな好意のように思えて、身構えていた沙耶はほんの少しだけ気を緩める。


「ありがとう」


 もらったチョコレートをバッグの中に入れ、沙耶は美鶴を見上げた。


「志倉沙耶です」
「君の名前?」
「はい」


 沙耶はうなずき、そしてすぐそばの公園を指差した。


「あそこでお茶を一杯飲むくらいならお付き合いできます」


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