逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
けれど美鶴は真っ直ぐに沙耶を見つめ、首を振った。
「君は僕のことを誤解してるよ。確かに身内に政治家はいるけれど、僕自身は普通のサラリーマンだ。そしてその……」
美鶴は口ごもりながら、それでも必死に、心の中から言葉を選んでいるように話す。
「……あの時も、今も、必死になっているのは、君を見ていると懐かしいっていうか、また会いたいって思うような何かがあるというか……こんなの女性を口説く常套文句かもしれないけど、本当にそう思ってて……あーもうっ、いい言葉が出てこないなぁ……」
そして彼は、半ばやけっぱちのように、持っていたビジネスバッグに手を入れ、何かをつかんで、沙耶に差し出す。
「はい、どうぞ」
「え?」
「いいから」