続・俺と結婚しろよ!
Fの演奏は、やっぱり完璧だった。
ミスするミスするなんて賢ちゃんは言っていたけど、ミスなんて全く分からなかった。
舞台袖から見るあたしたち。
いつもより近くにFを感じる。
手が届くところにいる彼ら。
だけど、手の届かない存在だと再認識する。
大きな会場に響き渡る、しっかりとしたその音色。
狂いのないベースに、どこか切ないギター。
人々の心を掴む、少し癖があって、それでいて完璧な歌声。
そして、地を揺るがすような、そのドラム。
なに、何であんな複雑なの?
どうやって叩いているの?
よくそんなリズム取れるね。
すごく難しそうなのに、狂いもない。
Fを支えている、まさにその通りだった。
あたしの瞳は、彼に吸い付けられる。
彼から離れなくなる。
涼しい顔をして、素晴らしいパフォーマンスを繰り広げる彼に。