続・俺と結婚しろよ!





太鼓の達人は素人だと言い張るのに、案の定上手くて。

そのバチを握る手首に見惚れてしまった。

そして、昨日のライブを思い出していた。

賢ちゃんは大ミスしたっていうけど、すごく感動した。

Fってカッコイイって再認識した。







太鼓を笑顔で叩く賢ちゃん。

ミスをする度に、「お?」とか「あ?」とか言って。

その様子は玄とは全く違うけど、やっぱり意識してしまう。





そしてとうとう、野次馬が集まってきて。




「え?玄じゃね?」




なんて声が聞こえて。

あたしたちは慌てて逃げたんだ。







楽しかった。

久しぶりにこんなに笑ったんじゃないかってほど。

夏フェスを頑張ったあたしに、賢ちゃんは最高のご褒美をくれた。





あたしは歩きながら、賢ちゃんを見上げる。

賢ちゃんは、あたしを見下ろし少し目を細める。

あたしの大好きな賢ちゃんだ。

賢ちゃん、本当に本当に、大好き!!




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