たった一度きりの青春は盛りだくさん



そういえば、高校に売りに来るパンっていくらくらいなんだろう。


お兄ちゃんも去年までここの生徒だったから、電車の中ででもきけば良かった。


メールしても良いけど、すぐHR始まっちゃうし。


まぁ、お財布にある分で足りるように買って、少なくても我慢しよう。


それより、琴音大丈夫かな。


お父さん仕事行っちゃったら1人になっちゃう。


普段の琴音ならなんの心配もないんだけど、今の琴音は情緒不安定っぽいから心配だなぁ。


「おっす、佐藤」


机に教科書をしまっていたら、通りすがりに達川くんが話しかけてきた。


実は私と達川くん、席が近いんだよね。


私の斜め後ろだもん。


「あ、おはよう。

伝言頼まれてくれてありがとう」


数日前は私がお礼を言われる側だったのに、今日は立場が逆になっちゃった。


あげれるものは何も持ってないんだけど。


「どういたしまして。

珍しいね、初めてやない?

佐藤が0限目休んだん」


「まぁ・・・ちょっと色々あってね。

先生何か言いよった?」


今日の0限目は担任の英語だったはず。


担任は私の家庭環境を知ってるから察してくれたかもしれないけど、さすがに妹の思春期事情までは知らないよね。



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