桜前線
プロローグ
雨上がりの水溜りに、自分の顔が映る。
僕の顔だけ。
1つだけ。
雨雲は颯爽と流れて、陽は春の訪れを告げている。
たくさんの植物が芽吹き、全ての生物が活気に溢れるこの季節が、僕は苦手だった。
もっと的確に言えば、恐怖だ。
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