浅葱の桜
「あいつはな、割と上背もあるし顔も悪かぁねぇから昔から女に好かれてた。
あいつが十にもならない内からだって言うんだから驚きだろ?」
ま、まぁ、確かに格好いい方には入ると思いますけど……。
「そんなわけであの界隈で総司の人気は割と高かった。
が、当の本人があんなんだからとーぜん誰も相手にしないわけだ」
「あー。なんか目に浮かびます」
本人色恋沙汰には疎そうだもん。見た目硬いし。
「で、ある時そんな総司に告白しようとする馬鹿なのか勇気があるのか分からん女が居たわけだ」
「ば、馬鹿は失礼だと思いますよ。告白だなんて勇気がいることだと思いますし?」
語尾があやふやなのは私は告白なんてしたことないからだ。
もちろん生まれてこのかた二十年間。色恋の「い」の字も経験したことない。
「まぁ相手も見た目は悪かぁねぇ。一生かけた愛の告白だったろうさ」
「で、その結果は?」
ゴクリと喉がなる。あんまりいい結果じゃないことはもうこの時点でわかってるけど、野次馬精神というものは恐ろしいものだ。
興味がわいて仕方ない。
「その結果はな」