ばか、嫌い。でもやっぱ好き。
あれから何日たったのだろう。覚えていない。ここ何日かは意識が朦朧としていた。

輝龍達が毎日来て私の世話をしてくれたのを覚えている。



優樹「お、起きた?」

『わ、私……』

優樹「何食べたい?」



ニカッと笑ってくれる優樹。私はこの笑顔に何回救われただろう。



優樹「よし。久しぶりにどっか食べに行くか」



連れてこられたのはファストフード店。



優樹「おら、好きなもの選べ。」

『オムライス……』



料理ベタな陽花が私のタメに作ってくれた歪なオムライスを思い出す。一笑懸命つくってくれた味は美味しくて……

無性に食べたくなった。


それぞれが選び注文した。
優樹が私の頭をそっと撫でる。



優樹「心配するな。」

『……』

優樹「金ならたんまり持ってきた。」

龍「いや、そっちじゃねぇーだろ。」

優樹「う、うるせーなー。」

『ふっ……優樹のバカ。』

優樹「あ?」

『バーカ!!』

優樹「んだと!?」



あー、私何やってんだろ。皆にこんな顔させちゃって。情けない。

陽花はこんな事を望んでいない。


なら……なら!

私に出来ることは陽花がいつでも帰って来られる場所を作っておくこと。

それしかない。


パクリ


注文して届いたオムライスを食べる。


オムライス……陽花の方が美味しいよ。

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