それは、小さな街の小さな恋。


「てことは、大二郎さんもか。お前は?」


早速お風呂に入るらしく、何の躊躇もなくTシャツを脱ぎだした俊ちゃんは綺麗に鍛えられた腹筋を見せながら聞く。


「さぼり。」


実際は違うけど。


「うわー、哲平に言ってやろう。」

「ちゃんと衣装作り手伝ってるもん。」


作りかけの鉢巻を掲げて言うものの、俊ちゃんは既にお風呂場に向かっていて聞いちゃいない。


確かにあの暑い集会所へ行くということはさぼったけど、衣装作りはさぼってない。

それどころか、かなり働いてる方だと思う。


ちなみに、哲平とは青年会の今年の会長で俊ちゃんの同級生だ。

そして夏祭りの実行委員の一人。


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