椿 バージョン1
ーガチャンー

「ん?もう朝??」

私の部屋のドアが開いて、誰かが入ってきた。

「朝だよ!遅刻するよ!?姉さん!!」


入ってきたのは、妹の桜で。

もう朝か……って!え!?

「学校!」

ーガバッ!

凄い勢いで起きたら、勢い余って桜に激突。

ドスッっと鈍い音がした。

ふとみると恨めしそうにこちらを見てくる桜。
オデコを擦って。
そのオデコは真っ赤になっている。

うわ……痛そ。

なんて考えて……られない!

「桜!今何時!?」

「……7時」

うわ。しまった!
寝坊した!


「何で起こしてくれなかったの!?」


急いでリビングに降りる。


そんな私を待っていたのは

「おはよう」

悪魔の微笑みをしてるお母さんと

「おはよう!」

天使の微笑みをしてる弟たち。


固まる私をしってか知らずか

「あんた、今日は始業式でしょうが!
急いで準備しなさい!」

雷が堕ちた。


そうなのだ。今日は始業式。
高校2年の私は、学生には短い夏休みが終わったばかり。



起きてすぐお説教か……。
朝から残念な私を守ってくれるのは
我が弟たち。


「まぁまぁ母さん。
姉さんだって疲れてるんから」


高1の弟。 帝。


「そうだよ!姉さんだって大変なんだよ」


中3の弟。 命。


本当に天使だ。
私を守ってくれるのは、ほぼこの2人しかいない。


帝はしっかり者。
姉が言うのもなんだけど、頼もしく優しい弟。
整った顔立ちとバスケ部だからかモテる。


一言で言うなら、どこまでも優しい弟である。



命は少し天然。
桜とは二卵性だけど、性格は真逆。
桜とは違い、甘えたがりなところがある。
生まれつき体が弱いけど、
サッカー部に入っているバカ!

姉としては、心配だ。


桜はもう、しらん!
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