柴犬~相澤くんの物語り
 その日もぐったりしていたら突然、

 「あいざわくん! 私と駆け落ちしましょう」

 塀を乗り越え高宮さんがやってきた!



 おれは嬉しくて嬉しくてワンワン吠えた。
でもそのあとの言葉にびっくりだ。

 「駈け落ちぃ~? いや、おれたち雄同士だ、それをいうなら家出だ」

 いやいや、そんなことツッコんでる場合じゃないぞ。

「なんで家、出るんだ? おれたち会えなくなるのか?」

 「あれから主人に見張られて外にも出られない状態なんです。主人がうたた寝している隙にやっと抜け出すことが出来ました。もう二度と君とは会うなって……そんなの耐えられません。今夜主人が寝た後、家を出ます。相澤君……一緒に来てくれませんか?」

 高宮さんが真剣な表情でおれを見つめた。


 
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