柴犬~相澤くんの物語り
次の日、隣の檻がガチャガチャと開かれる音がして
「おいで」
と、誰かが、じいさんに呼びかける声が聞こえた。
心臓がどきどき大きく波打つ。
自力では歩けないのか、職員にかつがれ、白い大きな犬が檻から姿を現した。
昔はきっと真っ白だったに違いない長い毛は茶色く汚れ、ところどころ抜け落ちていて目の上にも毛が覆いかぶさっている。
「じいさん!」
おれが呼びかけると、哀しそうな、それでも全てを悟ったような穏やかな瞳でおれを見つめた。
「さようなら……」
言い残すと、じいさんは、とても大人しく職員に抱えられたまま部屋を出ていった。
ガチャンと扉が閉じる音が部屋中に響き渡る。
「じいさん!」
その途端、おれは狂ったみたいに暴れだした。鉄格子に体当たりしながら
「じいさん助けなきゃ! 開けろ! ここから出せ! じいさん!」
大声で叫びながら暴れ続けた。
「おいで」
と、誰かが、じいさんに呼びかける声が聞こえた。
心臓がどきどき大きく波打つ。
自力では歩けないのか、職員にかつがれ、白い大きな犬が檻から姿を現した。
昔はきっと真っ白だったに違いない長い毛は茶色く汚れ、ところどころ抜け落ちていて目の上にも毛が覆いかぶさっている。
「じいさん!」
おれが呼びかけると、哀しそうな、それでも全てを悟ったような穏やかな瞳でおれを見つめた。
「さようなら……」
言い残すと、じいさんは、とても大人しく職員に抱えられたまま部屋を出ていった。
ガチャンと扉が閉じる音が部屋中に響き渡る。
「じいさん!」
その途端、おれは狂ったみたいに暴れだした。鉄格子に体当たりしながら
「じいさん助けなきゃ! 開けろ! ここから出せ! じいさん!」
大声で叫びながら暴れ続けた。