赤いマフラー

川辺の道にて

昨日の夜のことを考えながら、いつもの川辺の道を歩いていた。
真理が優也のこと好きなんて…前からわかってたのに…どうしてこんなに胸が苦しくなるんだろ…
〜チリリン♪〜
自転車のベルの音がした。私が振り向くと
「真理♪おはよ」
優也が自転車に乗って立っていた。
「おはよ。」
昨日の一件もあったので、私は優也の顔が見れなかった。
「どうしたの?元気ないけど」
優也が私の顔を覗きこんで聞いてきた。私は顔が熱くなるのがわかった。
「よかったら後ろ、乗ってくか?」
「え?あ、うん!」
私は優也の自転車の後ろに乗った。
「懐かしいな、未来を後ろに乗せるの」
優也が言ってきた。
「そうだね、よくお母さんとかに怒られてたなー」
私の気持ちが少し落ち着いた。そして私は優也の腰に手をかけ、優也にすがるように座った。
私たちは自転車で誰もいない川辺の道を走って行き、学校へ向かった。
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