アリストの3姉妹
“娯楽魔法”といえば、魔力を使わないので、ちょっと練習すれば、国の民たちにも出来るものであるというが、なかなかどうして、そのやり方は誰も見破ることが出来ない。

時々、そのタネアカシとやらをしてくれたりして、そのやり方を覚えて帰ると、家では各々が家族にそれを見せては家族とのコミュニケーションをとったりして楽しんだりもしている。

これらを得意とする三姉妹たちは、民衆の休日には広場にやってきて、それらを見せてくれたり、城でも、城の外でもよく人々を楽しませていて、国中の人気者でもあった。

美しくて、歌も上手く、娯楽魔法も楽しくて、時には本物の魔法で人々の安心できる暮らしを守ってくれる、本当に民衆にとって“希望の三姉妹”だった。

彼女たちは、一般の民衆の中から“娯楽魔術師 ―マジシャン―”という聖職者を育てる事も目標に、人材を集め、小さな養成所も作ろうとしているらしいが、そこへの入学希望の応募者は殺到中という人気ぶり。

新しい職種に誰もが興味を示している、注目の職業が近い未来に誕生しようとしているわけだ。


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