アリストの3姉妹
アビエータが言うには、この子は生まれながらに魔女としての才を成熟させていると言っておった。

普通ならありえないことで始めは信じられなかったが、どうやら夢見の力も備えているらしい。この子が眠っている時に限って、食卓がカタカタゆれだしたり、誰が触れているわけでもない楽器が鳴り出したりしていた。

信じざるを得なかった。

アビエータが残した最後の予言で、暫くすると砂嵐が起こり国を丸呑みすることを知らされ、それが物心付かぬ赤子の仕業であると言った。

姫はまだまだ赤子。
姫は力の制御の仕方を知らない。
国を守る術を知らない。
国が滅びるのは確実だった。

私は未来が恐ろしくもなってきた。
そして息子に王位を譲り、私は墓に入る事にした。
言ってしまえば魔女の生き埋めの道連れになったというわけさ。

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