きみと恋の話をしよう
憂いを含んだ王子様が頭を下げて言う。


「深山さん、ごめん。俺、なんかすごい誤解しまくってた。きみが脅す気だとか、馬鹿にしてるだとか」


「いえいえ、そんな。お気になさらず」


興味があったっていうのは、確かに好奇心でもあったもんね。
馬鹿にするつもりはなくても嫌だろうし。


「日曜の朝だったよね」


「へ?」


一瞬、何のことかつながらず、すぐに自分が言いだしたひとり店番タイムのことだと思いだす。


「はい、9時半の開店から1時間です。紀尾井屋書店は伯父の店で、日曜の朝だけは家族全員ゆっくりしてもらおうと、私が開店から店番までやるんです」


「そっか、じゃあ今度はその時間に行くよ」
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