不倫のルール
スタイルもよく、華やかな美人の明奈。わがままではないが、思った事をそのまま口にする所があるので、女子のグループからは、浮いてしまう事もよくあった。

そんな明奈には、どことなく閉鎖的な所がある田舎より、都会の方があっているのかもしれない。

二人のお説教に何の反論もできず、「……はい……」と私は、とりあえず頷く。

私だって『父に似た所のある年上の男の人』を、意識して好きになっている訳ではない。

気が付いたら、もう惹かれている。好きになっている。

少しずつ想いを積み重ね、自分でようやく気付いた時には、簡単に退けなくなっている。

「繭子のお母さんも、新しい幸せを見付けたんだから、繭子も!ね!」

美冬に、しっかり視線を合わせながら念押しされ、私は薄く笑った。

ずっと父の事を想っていた母に、三年くらい前、母の心を動かす人が現れた。

高校の同窓会に参加し、そこで再会した母の同級生だ。

相手の方は、二十代の頃に離婚経験があり、二人とも、付き合いを始める事に慎重になっているようだった。

その事を母から聞いた時は、すごくびっくりした。でも、迷う事なく母の背中を押した。

ずっと、一人で私を育ててくれたお母さん。「お父さんの代わりはできないけど」と言いながらも、二人分、それ以上の愛情を、私に注いでくれた。

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